テレワーク定着の動きを推進する大企業、マンションデベロッパー、地方自治体の動きとは

テレワーク定着の動きを推進する大企業、マンションデベロッパー、地方自治体の動きとは

 大企業や地方公共団体が、「テレワーク」、「シェアオフィス」をキーワードとしたインフラ整備を推進しています。

 三菱UFJ銀行は、テレワークを前提としたオフィスを2021年5月に設置すると報じられています。三菱UFJ銀は東京・丸の内に本店があるものの、丸の内や大手町に計8カ所の本社機能を持つオフィスもあります。このうち東京駅前のJPタワーなどに置く2拠点を麹町駅前の商業ビルに移す予定です。

 新拠点では、座席数を移転前の3000から2400へと2割削減し、固定席がないフリーアドレスとすることで、延べ床面積を移転前の半分にする計画です。また新拠点では、行員が気軽に座って話し合えるスペースや、個人で業務に集中するための個室も設けるそうです。

 三菱UFJ銀行は、テレワークの拠点も拡大します。20年度は支店の空きスペースなどを活用し、首都圏で13のテレワーク拠点を新設し、計19拠点となりました。ノートパソコンとスマートフォンを行員に配布し、21年度には全行員がテレワークできる体制を整える予定です。

 大手マンションデベロッパーは、シェアオフィスを併設した賃貸物件や分譲物件を新たに立ち上げています。三菱地所は、東京・大手町駅近くに「ザ・パークハビオ ソーホー」というブランド名でコワーキングスペースを併設した13階建ての賃貸物件を2022年に建設する計画です。

 報道によると、コワーキングスペースは1階に約60平方メートルで用意され、入居者は24時間無料で利用できるそうです。個室タイプのブースも用意され、通信環境の整った集中できる場所で仕事の効率性を上げる狙いがあります。

 日鉄興和不動産は、東京都板橋区で販売中の分譲マンション「リビオ成増ブライトエア・フォレストエア」内に、入居者向けシェアオフィスを設けています。シェアオフィスには個室のワークスペースが確保され、オカムラとブイキューブが開発した「テレキューブ」も置かれます。テレキューブは、電話ボックス型の個室オフィスで、テレビ会議にも使える仕様となっています。

 首都圏の地方自治体は、郊外型シェアオフィスの設置や運営費用を一部負担するなど、シェアオフィスやサテライトオフィスの設置を推進する政策を打ち出しています。神奈川県は10月、横浜、川崎両市以外の県内市町村にシェアオフィス・サテライトオフィスを設置する場合、200万円を上限に費用の4分の3を補助する仕組みを導入しました。千葉県松戸市は8月、設置工事などにかかる初期費用の半分(上限800万円)、運営費の半分(年度あたり上限300万円)を助成する制度を始めました。

 東京都は、2018年度から市町村部(23区外)にてシェアオフィス・サテライトオフィスの設置や運営をする事業者に補助金を交付する制度を始めています。今年度(2020年度)は、補助金の上限を最大2000万円から2250万円にし、補助率の上限を2分の1から3分の2に引き上げられました。

 政府や地方自治体による外出自粛要請をきっかけに、在宅勤務は一気に普及しましたが、自宅で業務を続ける限界も意識されるようになり、自宅でもなければオフィスでもない第3の場所(サードプレイス)での業務を可能とする環境のニーズが高まっています。

 ただ、シェアオフィス、レンタルオフィス、ワークプレイスは、東京23区内では、ある程度、存在するものの、神奈川県、千葉県、埼玉県といった都外での拠点数はまだまだ少ないのが実情です。

 また、シェアオフィス、レンタルオフィス、ワークプレイスの多くは、個人事業主やベンチャー企業を対象としたところが多く、一般的な勤労者が利用するには、費用面を中心に利用のための負担感が大きいという事情もあります。

 このため、経営資源に余裕がある大企業は、従業員のために自前のシェアオフィスやサテライトオフィスを用意し、マンションデベロッパーは、自宅(マンション)と同じ敷地・建物内にシェアオフィス機能を持つスペースを用意するのは自然と思われます。

 また地方自治体が、シェアオフィスやサテライトオフィスを設置、運営する事業者を金銭面などでサポートするのも、一般勤労者の勤労環境の整備など、様々な必要性に対応した動きと考えられます。

 今後は、こうしたインフラ整備の動きが続くことで、テレワークがさらに普及すると予想されます。


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