シェアオフィス事業の拡大を急ぐJR東日本、2020年度100カ所ネットワークの構築を発表

シェアオフィス事業の拡大を急ぐJR東日本、2020年度100カ所ネットワークの構築を発表

 東日本旅客鉄道(JR東日本)は2月8日、駅構内を中心に展開するシェアオフィス事業「STATION WORK」を東日本エリア全域に展開し、2020年度に100カ所のネットワーク体制になることを発表しました。

 STATION WORK(ステーションワーク)には、「STATION BOOTH」(ステーションブース)と「STATION DESK」(ステーションデスク)の2種類があります。STATION BOOTH(ステーションブース)は、いわゆる個室タイプで、幅と奥行きがそれぞれ1メートル強、高さが2.2メートル程度のボックスが、「駅ナカ」や駅改札近くに設置されています。ボックスの中には、椅子、机、電源コンセント、エアコンのほか、液晶モニター、Wi-Fiによる通信環境が用意されています。利用料金は15分250円で、事前に利用時間を予約して使います。

 STATION DESK(ステーションデスク)は、6つのタイプの席が用意されており、目的に応じて好きな席が選べます。6つのタイプは、パーティションに囲われた空間でデスクワークに集中できる「SHELTER」、適度な囲われ感とゆったり座れるソファの「CAVE」、ポケットコイルの上でリラックスして作業できる「HEAVEN」、半オープン型のソファ席「CAPSULE」、半オープン型のデスク席「DEN」、ハイカウンター型で短時間の作業に適した「PERCH」です。STATION DESK(ステーションデスク)は、フリードリンクやフォンブースも用意されており、利用料金は15分250円で、事前に利用時間を予約して使います。

 JR東日本は、これまで首都圏を中心にSTATION BOOTHの設置を進めてきましたが、3月下旬までに都心エリアの計11カ所にSTATION BOOTHを追加で設置するとともに、東北・信越・北関東エリアの主要駅など10カ所にも設置する予定です。これにより、都心エリア71カ所、東北・信越・北関東エリア29カ所、計100カ所の設置が達成されます。

 JR東日本は、STATION WORK事業においてSTATION BOOTHを主体に展開していましたが、今後はSTATION WORK内の個室で1日仕事ができるホテルとの提携をさらに進めていくほか、フィットネスジムやコンビニ、カフェなどにもシェアオフィスを広げるとしています。

 ホテルとの提携では、JR東日本は、JR東日本ホテルメッツ全29館と提携をするほか、フィットネスジム「JEXER 新宿」や、コンビニエンスストア「NewDays(JR仙台イーストゲートビル店)」でSTATION BOOTHを開業する予定です。

 JR東日本は昨年12月、KDDIと提携し、新幹線の車両をテレワークオフィスとして活用する「新幹線ワークプレイス」構想を発表しています。JR東日本は、東北新幹線車両の一部に「リモートワーク推奨車両」を試験的に導入する実証実験を開始しており、リモートワーク推奨車両には専用の通信回線が引かれます。リモートワーク推奨車両は、通常よりゆったりした座席やテーブルなどが描かれており、飛行機のビジネスクラスのようにも見えます。

 JR東日本とKDDIは、リモートワーク推奨車両を試験的に提供し、利用者のニーズを探るとしています。実証実験では通話などが制限されず通常の職場同様に仕事ができる状態を用意するそうです。また、利用者から働く機能としての要望を聞き、多くの利用者が同時にインターネットを使うことでネットワーク上の問題が起きないかといった技術面を検証した上で、車両の一部を改装し、専用車両を開発するかどうかも検討するそうです。

 JR東日本がSTATION WORK事業に力を入れているのは、既存の交通事業に限界が見えてきたことで、交通事業の高付加価値化を目指しているためと思われます。在宅勤務の普及で、労働者は通勤のために電車を使う必要が減っただけに、JR東日本としては、これまで以上のペースで新事業を推進する必要性が高まったといえます。

 新型コロナの感染拡大をきっかけに、在宅勤務やテレワークが普及したものの、通信環境の悪さや家族の存在などにより、自宅でテレワークやリモートワークをすることが難しい方も多く、自宅近くのレンタルオフィス、シェアオフィス、バーチャルオフィス、カプセルオフィス、サテライトオフィス、ワーキングスペースを利用する方が増えています。自宅から比較的近い郊外の駅にレンタルオフィス、シェアオフィス、バーチャルオフィス、カプセルオフィス、サテライトオフィス、ワーキングスペースを設置すれば、自宅で働きにくい労働者のニーズをつかむことができるとJR東日本は判断したのかもしれません。


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