衣料品店「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングで、グループのマーケティングを担うジョン・C・ジェイ氏は、日経MJでのインタビューで次のようなコメントをしています。
世界的に電子商取引(EC)が伸長し、店舗不要論も出ています。小売業にとって店舗はこれからも必要ですか。
「もちろん。店舗は重要です。ただ、単なるお店では意味がありません。自宅にお客様を招くように、わたしたちの価値観や哲学を共有できる店舗が求められます」
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65393350T21C20A0H11A00/
じつは、WorkOnも属するシェアオフィス、ワークスペース、ワーキングスペース業界でも、同じような指摘が増えつつあります。
米国発のシェアオフィス大手「WeWork」の日本法人WeWork Japanは10月29日、従来プランの半額以下となる新プランを発表しました。新プランは、国内6都市36拠点の共有エリアを利用可能とし、料金を月額3万9000円(税抜き)としています。
この新プランの発表に際し、WeWork Japanの佐々木一之CEOは、次のようにコメントしています。
「オフィスの役割が変わっている。作業する場ではなく、よりエンゲージメント、コラボレーション、会社のカルチャーが感じられる場に変わってきている。より個人、社員が自由になる時代。選択肢を持つ。弊社の特徴のひとつの『コミュニティー』も、どこに所属するかの自由が、今後大切になってくると思う」
新型コロナウイルスの感染拡大で、在宅勤務、テレワーク、WEB会議、オンラインミーティングは一気に普及し、その利便性が大きく注目されました。つい数カ月前までは、人々の多くは、通常の勤務スタイルに戻らず、在宅勤務やテレワークを続け、WEB会議やオンラインミーティングは、ミーティングの主流になると言われていました。
しかし、在宅勤務、テレワーク、WEB会議、オンラインミーティングを続けていくうちに、そのデメリットも意識される機会が増えています。そして、その反動として、従来型の勤労スタイルのメリットも再び注目されるようになっています。
ファーストリテイリングのC・ジェイ氏や、WeWork Japanの佐々木一之CEOのコメントは、こうした人々の意識の移り変わりを意識したものと考えることもできます。
我々WorkOnは、新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ緊急事態宣言が発出された今年4月に営業を開始しました。当初は、テレワーク拠点としての利用がほとんどでしたが、その後、WEB会議やオンラインミーティングでの利用、そして、大テーブルで複数の方々が隣あって作業をする利用方法も増えてきています。
もちろん、WorkOnは、静かな環境で業務をすることを求める方のためのワークスペースですので、大テーブルで大きな声で話をするシーンはみられません。ただ、隣に同僚などの知っている方がいると、ちょっとしたことを小声で話しながら、コミュニケーションを取るのは、業務効率を上げるためのちょっとした工夫のようにも思えます。
在宅勤務、テレワーク、WEB会議、オンラインミーティングのメリットだけでなくデメリットも共有されるようになり、ノートPCやタブレットを使っての各種業務のあり方は、これからも変化が続くとみておくべきでしょう。