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格安料金で利用者殺到? 東京都が6月まで続けるテレワーク用サテライトオフィス提供事業とは

 東京都は、1月20日から「テレワーク緊急強化月間」に合わせ、東京都多摩地域の宿泊施設の客室をサテライトオフィスとして提供する事業(サテライトオフィス提供事業)を実施しています。客室をサテライトオフィスとして利用ができるのは、都内在住または在勤の企業等で働く方で、個人事業主も含まれます。

 サテライトオフィス提供事業で利用できる施設の利用可能時間は、施設によって異なりますが、原則午前9時から午後7時まで。利用料は1日1室あたり税込みで500円と格安です。利用者は、利用希望の前日までに宿泊施設宛に予約をする必要があります。なお、利用できる人数は、各施設で先着20名までです。なお東京都は、プラン料金(1日1室1万円以内)から500円を引いた差額を宿泊施設に支払います。

 利用できる施設は、八王子、立川、府中、町田、多摩センターの各エリアにある宿泊施設です。WorkOn西友町田店がある町田では、ホテルリソル町田(小田急線町田駅徒歩2分、JR町田駅徒歩5分)と東横INN町田駅小田急線東口(小田急線町田駅徒歩4分、JR横浜線町田駅徒歩7分)の2施設がサテライトオフィス提供事業の対象となっています。

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 サテライトオフィス提供事業の対象となる施設は、無料のWi-Fi環境やテレワークに適した机、椅子があるほか、利用者の申し込みをオンラインで対応できることが可能であることが要件とされています。

 サテライトオフィス提供事業は、料金が税込み500円と格安なこともあり、平日の利用率が9割前後と好調です。そこで東京都は、同事業が始まってから、利用率が高いことを受けて2月12日に事業を拡充しています。1月に開始したときは、1日あたりの提供客室数を100室としていましたが、2月19日からは200室に増やされ、対象となる宿泊施設も5施設から10施設となりました。

 また東京都は3月15日、サテライトオフィス提供事業を4~6月も実施することを公表しています。ただ、提供される室数は1日あたり約100室と縮小され、利用者が負担する利用料金(自己負担額)は1日1室あたり税込み1,000円と、500円から引き上げられます。また事業の対象となるプラン料金は、1日1室6千円以内と、1万円から縮小されます。つまり東京都が宿泊施設に補填する金額は、上限5千円となります。

 東京都は、サテライトオフィス提供事業を利用した方から寄せられたコメントの一部を公表しています。コメントは以下の通りです。

(1)プランを利用した感想
・コワーキングスペースではウェブ会議が難しいことが多いが、個室なので対応しやすかった。
・ドリンクサービス(コーヒー等)があってよかった。
・自宅から移動するのに電車に乗る必要がなく、感染リスクがなくてよかった。
・静かな環境で集中して仕事を行うことができた。

(2)設備やサービス面の改善点
・Wi-Fi の接続が悪く、回線が切れがちだった。
・テーブルが小さく、デスクサイドのライトがあるとよかった。
・背もたれがある椅子かクッションがあるとよかった。
・TV モニターに繋ぐケーブル(HDIM ケーブル)があるとよかった。
・机が窓側にあり仕事をしていて寒かった。

(3)その他
・部屋に手指消毒液があると良い。
・サテライトオフィス事業が今後も継続されるとよい。
・部屋数増室してほしい。コロナが落ち着くまで実施してほしい。

 東京都は、全日本シティホテル連盟と連携し、テレワークの場を提供する宿泊施設と、テレワークの場を確保したい都内事業者を募集し、それぞれの情報を把握してマッチングすることで、都内事業者におけるテレワークを促進する取組(テレワーク促進に向けた宿泊施設利用拡大支援事業)も実施するなど、テレワークの推進に力を入れています。サテライトオフィス提供事業だけをみれば、コロナ禍で業績が悪化している宿泊施設の産業支援策のように見えなくもないですが、東京都は、稼働率が低下している宿泊施設に(事実上の)補助金を交付し、都民にテレワークを促す狙いがあると考えてよさそうです。

 ただ、利用者のコメントからも推察されるように、たとえWi-Fi環境やテレワークに適した机、椅子が用意されているとしても、宿泊施設がテレワークに完全に適しているわけではありません。特に机と椅子は、一般の方には違いが分かりにくいかもしれませんが、宿泊施設で用意されているものとオフィス用として作られているものとでは、品質に大きな違いがあります。たとえば、自宅のリビングでテレワークを続けていたら、姿勢が悪くなった、目が疲れやすくなった、腰が痛くなった、という声を聴いたことがある方は少なくないでしょう。これは、自宅のリビングで使われている机(テーブル)と椅子は、あくまでリビングに向いているものであり、オフィスに向いたものではないことを示す一例です。

 WorkOnは、テレワークだけでなく、リモートワーク、モバイルワークのためにWEB会議、オンラインミーティングにも使える効率よく仕事をしたいリモートワーカーのために新しいワークスペースを提供したいとの思いから始まりました。それは、宿泊施設やカフェとは違う環境を用意することを意味します。

 WorkOnは、ノートPC(ラップトップPC)、タブレット、スマホといったモバイル機器を使う人たちを大事にしたいと考えており、リモートワーカーやテレワーカーと呼ばれる人たちには、快適な環境によって、集中して効率よく仕事をしていただけることを願っています。

 快適な環境は、様々な要素で作られます。プライバシーが確保された広いスペース、疲れない椅子、たくさんの電源、高速無線Wi-Fi、飽きのこない・刺激の少ないシンプルな内装デザイン。いつでも使える、煩わしい手続きをなくす、納得感の高い料金体系なども、快適な環境を作るために必要です。

 テレワークを推進すべく東京都が様々な事業を実施することをWorkOnは歓迎します。東京都の事業をきっかけに、より多くの方が、自宅や勤務先とは違う第3の場所で仕事や業務をすることが一般的になると考えられるからです。

 また、サテライトオフィス提供事業の対象となった施設は、利用者のコメントなどを参考に宿泊施設としてではなく、テレワーク環境を提供する事業として、少しずつかもしれませんが新しい施設やサービスの導入に前向きになっていただけたらいいなとも思います。

 新しいワークスペースWorkOnは、従来型のワークスペースでもなければ、レンタルオフィス、シェアオフィス、バーチャルオフィス、カプセルオフィス、サテライトオフィス、ワーキングスペースでもない働く場所として、これからも皆様に貢献できるよう努力を続ける所存です。


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