スペースを貸し借りするプラットフォーム「スペースマーケット」を運営する株式会社スペースマーケット(以下、スペースマーケット社)は、平山建設、NTT東日本千葉事業部と連携し、JR成田駅前に「シェアスペースGAKUYA」(以下、GAKUYA)を明日(2021年4月8日)オープンすることを公表しました。
GAKUYAは、JR成田駅前 徒歩約1分に位置するコワーキングスペースです。施設内は、フリースペース、集中ブース、テレフォンブース、ミーティングルームなどに分かれ、プロジェクターやマイクなどのAV設備や複合機、貸出ロッカーなども用意されています。
GAKUYAは、WorkOnと同じようにスマホで扉の施錠・開錠ができ、Web・スマートフォンアプリから入退室履歴等が確認できます。テレフォンブースは、三面吸音材装備によって防音されており、ブース内に入ると無音室状態で、反射音が聞こえないそうです。ミーティングルームの仕切りは、二重ガラスのため遮音性が高く、パソコン等を持ち込まなくても遠隔ミーティング(ZOOM・Google Meet等)を利用できます。またミーティングルームには、120インチスクリーン・プロジェクター・マイク等AV設備も装備されています。
GAKUYAの企画・運営は平山建設が担い、 スペースマーケット社は、集客・予約サイト「スペースマーケットWORK」を2020年8月から提供します。スペースマーケット社とNTT東日本は、コロナ禍の影響によりインバウンド需要が冷え込んだ成田エリアの経済活性化実現のため、新たな働き方の推進としてGAKUYAを通じて成田の街づくりを支援する意向を表明しています。
また両社は、全国的な地方創生に向けて新たなビジネス領域への挑戦を続けながら、スペースの有効活用とマッチングビジネスを通じて、テレワークスペース・サテライトオフィスを拡大させ、企業や自治体のニーズに応じて地域の遊休資産等のワークスペース化等の有効な利活用に貢献する意向も表明しています。
スペースマーケット社は、スペースシェアのプラットフォームサービスとして「スペースマーケット」と「スペースマーケットWORK」を展開しています。同社は、貸し会議室、レンタル会議室、集会室、ミーティングルーム、レンタルスペース、レンタルルーム、テレワークスペース、フレキシブルスペース、パーティールーム、古民家、住宅、倉庫など多岐にわたるスペースが多様な目的で利用され、結果としてユーザー体験を提供することを推進しています。
また新型コロナウイルス感染症が拡大した昨年4月以降、同社は、テレワークやオンライン会議などに使えるホテルなどの宿泊施設のレンタルスペースの時間貸し登録を推進しています。今年3月16日には、登録が1,000件を突破し、時間貸し登録をする宿泊施設数が前年同月比で5倍以上となったことを公表しました。
宿泊施設は、新型コロナウイルス感染症拡大により旅行や出張が減少し、収益源の確保が急務となっています。スペースマーケット社のようなプラットフォームを利活用することで稼働率が上がることは、宿泊施設にとって悪い話ではありません。特に、Wi-Fiが整備され、広々とした部屋を用意する宿泊施設は、テレワーク、オンライン会議、オンライン面接、動画配信をする場所として適していると考えられます。
スペースマーケット社にとっても、自社プラットフォームを通じて宿泊施設の時間貸しサービスが拡大することはメリットがあります。同社の前期(2020年12月期)決算は、売上高8.04億円の減収となり、当期純利益は1.47億円の赤字となりました。今期は、貸会議室、ミーティングルーム、レンタルスペース、レンタルルーム、セミナー会場、サロン、スタジオ、イベントスペースなどの需要が高まることで、同社の業績が回復することも考えられますが、一方で、テレワーク、在宅勤務や外出自粛の定着などから、貸会議室やレンタルルームの需要が盛り上がらない可能性も否定できません。スペースマーケット社としても、宿泊施設の時間貸し事業で少しでも収益確保をしたいはずです。
今後の先行き不透明感が高いのはWorkOnも同じです。新しいワークスペースWorkOnは、従来型のワークスペースでもなければ、レンタルオフィス、シェアオフィス、バーチャルオフィス、カプセルオフィス、サテライトオフィス、ワーキングスペースでもない働く場所として、そして従来型の貸し会議室、ミーティングルーム、サロン、スタジオ、イベントスペースとは違う予約ルームという形式で、これからも皆様に貢献できるよう努力を続ける所存です。