不動産開発大手の大京は、壁面レール収納や壁面デスクなどテレワーク機能付きのワークスペースを導入した新築賃貸マンション「ライオンズフォーシア秋葉原イースト」と「ライオンズフォーシア築地ステーション」の入居を2021年1月下旬より始めています。2物件とも、1DKと1LDKのタイプにワークスペースが用意されています。
「ライオンズフォーシア秋葉原イースト」は、東京メトロ日比谷線の秋葉原駅より徒歩6分に位置し、全38戸のうち5戸にワークスペースが用意されています。ワークスペースには、棚板やデスクなどがつけられる壁面レール収納があり、レールに合わせ自分好みのワークスペースを設けることができます。
「ライオンズフォーシア秋葉原イースト」の壁面レール収納は、壁面に設置したレールにカウンターデスク、棚板、ハンガー棚を自由に組み合わせてワークスペースを作ることができます。カウンターデスクと棚板を組み合わせることでL型デスクとして使用できるようになっています。
「ライオンズフォーシア築地ステーション」は、東京メトロ日比谷線の築地駅より徒歩2分に位置し、全37戸のうち10戸にワークスペースが用意されています。「ライオンズフォーシア築地ステーション」のワークスペースには、壁面収納をアレンジした机が標準装備されており、オフィス机の標準的な高さ(70センチ)に合わせて机板を設置し、上部にはプリンターなどを置ける2段の棚収納が設けられています。
大京のアンケート調査(調査委託先はマクロミル)によると、アンケート回答者(新築マンションを3年以内に購入検討している25歳以上69歳以下の男女 935人)の約8割が(週1回から毎日)在宅勤務をしていますが、回答者からは
・ワークスペースがほしい
・生活と仕事の空間を分けたい
・デスク(机)が小さい
・モニターやプリンターを設置したい
などの声が出ています。
新型コロナウイルスの感染抑制策(いわゆる緊急事態宣言)の実施などで、オフィスへの通勤を控え、自宅で働く生活スタイルがより一般的となっています。ただ、これまでの賃貸住宅の多くは、(単身向けや二人向けほど)室内での働く場所(ワークスペース)を確保することが難しい状況です。
大京の2物件は、ワークスペースを確保したいというニーズに対応した物件ともいえ、需要が高まりそうです。報道によると、「ライオンズフォーシア秋葉原イースト」では、2件、「ライオンズフォーシア築地ステーション」では6件の入居申し込みが、すでに入っているそうです(1月25日時点)。
景気の低迷はこれからも続きそうで、これまで需要が安定的とされていた賃貸住宅でも、空き家が長期化し、借り手を確保するのが難しいケースが増えています。とくに働く場所を用意するのが難しそうな手狭の物件ほど、駅から近い、日当たりが良い、といった利点だけで高い家賃で集客するのが難しくなりそうです。
大京の試みは、新型コロナをきっかけとした新しい生活様式に対応した賃貸住宅の提供、という点で興味深い事例となりそうです。また、他の賃貸住宅でも、リフォームなどによって住宅内に働く場所(ワークスペース)を用意する動きが広がるかもしれません。
新しいワークスペースWorkOnは、(もちろん)賃貸住宅ではなく、レンタルオフィス、シェアオフィス、バーチャルオフィス、カプセルオフィス、サテライトオフィス、ワーキングスペースなどのように「働く場所」に特化した施設です。ただ、自宅でずっと働き続けることによる肉体的・精神的なストレスを解消する一環として、いつでも好きな時に快適に業務に従事する環境が用意されていることは、たとえ自宅に働く場所があっても労働者にとって好ましい状況と考えています。WorkOnは、その好ましい状況に社会が近づくよう(微力かもしれませんが)貢献を続けていきたいと考えています。
大京など賃貸住宅を提供する事業者が、ワークスペースという名称で働く場所を確保することは、WorkOnにとって喜ばしいことと考えています。多くの事業者が、「働く場所」を意識する製品・サービスを提供することで、WorkOnというサービスの付加価値をより多くの人々に認識いただく機会が増えると期待されるからです。
レンタルオフィス、シェアオフィス、バーチャルオフィス、カプセルオフィス、サテライトオフィス、ワーキングスペースなど、数多くの名称があるように、WorkOnに類似したサービスは、細かく見るとそれぞれ特徴が異なります。WorkOnは、あくまでWorkOnとして、WorkOnというサービスをより多くの方々にご認識いただき、従来型のワークスペースでもなければ、レンタルオフィス、シェアオフィス、バーチャルオフィス、カプセルオフィス、サテライトオフィス、ワーキングスペースでもない新しい働く場所として努力を続ける所存です。