貸会議室大手のティーケーピー(TKP)は9月3日、100%子会社である日本リージャスホールディングス(以下、日本リージャス)が東京都町田市初となるフレキシブルオフィス「リージャス町田駅前ビジネスセンター」を9月1日にオープンしたことを公表しています。
リージャス町田駅前ビジネスセンターは、小田急小田原線・JR横浜線町田駅から徒歩5分のセレステ町田(旧サカヤ・Sビル)1階と2階で、面積は553平米(約168坪)です。
リージャス町田駅前ビジネスセンターには、個室タイプのプライベートオフィス、共有型のオープンスペースをデスク単位で契約するコワーキングスペース、ミーティングルームなど様々なスペースが用意されています。各室には、オフィス家具・機器・備品、Wi-Fi回線、清掃サービスに加え、受付スタッフが利用者のサポートをします。
日本リージャスは、月額利用料が最大4ヶ月間、50%割り引かれるキャンペーンを全国の一部センターにて実施しており、リージャス町田駅前ビジネスセンターもキャンペーンの対象となっています。契約期間が12ヶ月以上の場合、最初の4ヶ月間、契約期間が6ヶ月から11ヶ月の場合、最初の2ヶ月間の利用料金が、それぞれ50%割引となるそうです。
日本リージャスを含めたTKPグループは、町田に限らず、主要都市で積極的に展開をしています。TKPは、は、京阪ホテルズ&リゾーツが運営する京都タワーホテル内の宴会場を、2021年10月より「TKPガーデンシティ京都タワーホテル」として運営を始める予定です。また、日本リージャスは、六本木に新築 9 階建て、一棟全てがシェアオフィス・コワーキングスペースとなる大規模フレキシブルオフィス「SPACES(スペーシズ)六本木」をリージャス町田駅前ビジネスセンターと同じ9月1日にオープンしています。そしてTKPと日本リージャスは、14拠点目の共同出店であり、首都圏2拠点目となる一棟型フレキシブルオフィス「TKP渋谷会議室(仮称)」、「リージャス渋谷公園通りビジネスセンター」を今年(2021年)11月にオープンする予定です。
TKPは、積極的に店舗展開する一方で、不採算となった施設の撤退も実施しています。今年3月~5月の3ヶ月間だけで、TKPは11施設を撤退させています。昨年度(2021年2月期)には46施設を撤退させていますので、昨年度とほぼ同じペースで撤退が続いていることになります。
TKPグループの業績は、改善の兆しがみられません。今年3~5月期のTKP連結決算を見ると、売上高は102.7億円と前年同期比1.7%減となり、営業利益は8.3億円の赤字、純利益は18.8億円の赤字と赤字が続いています。
TKP、日本リージャスそれぞれ単体で見ても業績面で苦戦していることが判明しています。TKPが重視するEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は、TKP単体で2四半期連続の赤字です。日本リージャスは、EBITDAで黒字を維持していますが、営業利益は2四半期連続の赤字です。
TKPは、注力する事業分野としてフレキシブルオフィス事業をあげています。フレキシブルオフィス事業とは、創業以来の主軸事業である貸会議室に加え、コワーキングスペース、レンタルオフィスが含まれます。
TKPのコワーキングスペース、レンタルオフィスは、日本リージャスのほかに、ビジネスセンター、SPACES(スペーシス)、オープンオフィスという独自ブランドもあります。用途は、1名用のオフィスから100名超のオフィスまで幅広く、設備もビジネスレベルのWi-Fiやオフィス家具が用意されています。
ただ、こうしたフレキシブルオフィス事業は、貸会議室と違い、成長ペースが緩やかです。また貸会議室は簡素な内装で問題ない一方、フレキシブルオフィス事業のうちレンタルオフィスは、共用部を豪華にしたり、フロアを細かく区切るなど内装費用が高額となります。この結果、フレキシブルオフィス事業の初期投資負担は重くなりがちで、黒字化には1年程度かかるとみられます。
TKPは、「いつでも、どこでも、すべての働く人たちに」という言葉を掲げ、業績改善に励んでいます。WorkOnは、TKPのような大企業ではなく、TKPのような多種多様なサービスを提供するわけではありませんが、ワークスペースという点で同業だと(勝手に)認識しており、TKPの頑張りはWorkOnにとっても励みになっています。
WorkOnは、TKPの頑張りを励みとしながら、より自由に業務をする場所、働く場所を選べるように、TKPと同じように頑張っていきたいと思います。